第2章 積み上げた日々の温もり
冷えきったお屋敷の廊下。
移ろいゆく季節の中で吹いた、一陣の風。
パタパタと廊下を走っていると、
柔らかいスカートの裾がはらりと捲れた。
目の前には蒼の瞳を煌めかせた兄。
私は心臓さえ止まったかのように、足を止めた。
一瞬遅れて、スカートを押さえ座り込む。
大切な兄。大好きな兄。
――恋しい兄。
「お兄ちゃん、見ないで!」
「お前が見せたんだろ
……ガキのパンツに興味ねぇよ」
「ガーン」
「アホくさ」
兄の言葉にショックを受けた私は、ガクリと肩を落とし俯く。
わかっていたけど、悲しかった。
スカートを握り締める手を見つめる。
そうしていると、
鼻で笑う兄の声が聞こえた。
「寒ぃだろ、早く来い」
兄の言葉にバッと顔を上げて立ち上がる。
――優しいお兄ちゃんが大好き。
またパタパタと音を立てて兄に駆け寄り、腕にしがみついた。