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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】

第11章 彼は彼女の心を救いたい 【ONE PIECE マルコ】


「いのり……!!」

エースが駆け寄り、彼女を抱き起こそうとして——その凄惨な姿に息を呑んだ。

引き裂かれた衣服、真っ白な肌に散る不浄な跡、そして彼女を汚す、言い逃れようのない暴行の痕跡。

「……あ……あああぁっ!!」

エースの目から、怒りと悲しみの涙が溢れ出した。
自分たちの「家族」が、誰よりも大切にしていた一番下の妹が、これほどまでに無惨に踏みにじられている。

「誰だ……!! 誰が、こんな惨い真似を……っ!! 誰がサッチを殺して、いのりを……!!」

エースの体から炎が噴き出し、厨房の温度が異常に跳ね上がる。
その殺気に満ちた叫びを、マルコが鋭い声で遮った。

「エース、落ち着けよい!! 今は犯人探しより、いのりを助けるのが先だ!!」

マルコは自らの上着を脱ぎ、意識を失ってるいのりの体を、包み込むように抱き上げた。

「……マルコ……俺は……俺は……!!」

「エース!! 泣いてる暇はねェ!! すぐに医務室へナースたちを呼んでこい! 女手が必要だ!!」

マルコは、怒りと屈辱で真っ赤になったエースの肩を片手で掴んだ。

「それから、オヤジに伝えろ……。サッチが何者かに殺され……いのりが……襲われたとな」

「………クソッ、クソぉおっ!!」

エースは扉を蹴り破るようにして飛び出していった。
静まり返った厨房、サッチの亡骸を背に、マルコは腕の中の小さく、冷え切った体を強く抱きしめる。

「……すまねェ。……こんなことになるまで、気づいてやれなくて……」

マルコの瞳に宿る青い炎が、かつてないほどに激しく、そして冷たく燃え上がっていた。

まだ犯人は分からない。
だが、白ひげ海賊団(家族)をここまで踏みにじった何者かを、彼は決して許しはしなかった。





「サッチさん!!」

処置を終えて少しすると医務室の静寂を切り裂き、いのりが跳ねるように飛び起きた。
その瞳は焦点が合わず、ガタガタと震える肩をマルコが即座に抑え込む。

「落ち着け、いのり! ここは医務室だよい。俺がいる、大丈夫だ……!」

「マルコ、さん……サッチさんは!? サッチさんはどこ!? 嫌、あんなの、あんなの嘘……!」

彼女は自分の身体の痛みも顧みず、必死にマルコに縋り付いた。マルコは痛む胸を抑え、努めて冷静な声を出す。



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