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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第11章 彼は彼女の心を救いたい 【ONE PIECE マルコ】



「……ここは、どこ……? 直哉さんは……禪院の屋敷は……」

「ゼンイン? 聞かねェ名前だね。あんた、昨夜の宴の最中に、突然甲板に現れたんだよい。……後ろ手に縛られた、あんな格好でね」

マルコの言葉に、彼女は屈辱を思い出し、顔を真っ赤にして俯いた。

「どうしてあんな場所にいたのか、何があったのか、話せる範囲で教えてくれないかよい?」

「……わかりません。私、ひどいことをされて……。逃げたくて、消えたくて……そう思ったら、急に光に包まれて。気づいたら、ここに」

「光……? 悪魔の実の能力か何かかよい……」

マルコは顎に手を当てて考え込むが、彼女の表情に嘘はなさそうだった。

「あんた、どこから来たんだ? 出身は?」

「……日本、の……京都です」

「ニホン? キョウト? ……悪いが、聞いたこともねェな。サウスブルーかどっかの小国かよい?」

「サウス……ブルー? いえ、そんな場所は……」


話せば話すほど、二人の会話は霧の中を彷徨うように噛み合わない。

「海……この船、動いてますよね? どこへ行くんですか?」

「どこへって……。ここはグランドライン、新世界だ。俺たちは『白ひげ海賊団』だよい」

「かいぞく……!?」

いのりの顔から血の気が引いた。
彼女の世界での「海賊」といえば、略奪と暴行を繰り返す悪逆非道の象徴だ。


「っ……あ……いや……!」

「おっと、そう怯えるなよい。海賊っつっても、うちはちょっと特殊でね。……家族の集まりみたいなもんだ」 

マルコは優しく笑い、彼女の震える肩に手を置こうとして、寸前で止めた。
彼女が男の手に過剰に反応することを見抜いたからだ。

「…あんたの話を聞いてると、どうもおかしい。お嬢さん、あんた……もしかして、『空島』より遠いところから来たんじゃねェかよい?」

「空、島……?」

絶句する彼女を見て、マルコは確信した。
目の前の少女は、単なる密航者でも、敵の刺客でもない。
文字通り、自分たちの知る「世界」の外側からこぼれ落ちてきたのだと。 

「……前途多難だね。だが、安心しな。ここは誰からも縛られない、自由な海だよい」

マルコの言葉に、いのりは呆然と彼を見つめ返した。

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