第10章 彼は彼女を取り戻したい 【ONE PIECE ロー】
その頃、シャボンディ諸島の繁華街を、凄まじい威圧感を放つ一団が突き進んでいた。
「キャプテン! すみません、私の不注意で……!」
悔やむイッカクを、ローは一瞥もせずに歩みを早める。
その手は、刀の柄を白くなるほど強く握りしめていた。
「ベポ、目撃情報は」
「アイアイ……! 目つきの悪い男たちが、あっちの『人間オークション』の方へ向かったって……!」
「……チッ。あのバカが、目を離すなと言ったそばから」
ローの声は低く、そして冷え切っていた。
焦りを見せることはないが、その歩幅は普段よりも明らかに大きく、周囲の人間が気圧されて道を開けるほどだった。
「キャプテン、強行突破しますか?」
シャチが真剣な表情で問う。
「……いや、今暴れれば首輪の起爆スイッチを押されかねん。ひとまず客として潜り込む。席を確保しろ」
「アイアイ!」
会場である『ヒューマンオークション』の大きな扉の前に立ち、ローは帽子を深く被り直した。
「金ならいくらでもある。……あの女を『商品』扱いしたツケは、高くつくと思え」
その瞳には、かつてないほどの鋭い殺意が宿っていた。
人間オークション会場の舞台裏。
鉄格子の檻の中には、冷たい空気と絶望が充満していた。
そこに、顔を赤く染め、千鳥足でふらつく大柄な警備の男が、酒瓶を片手に現れる。
「ヒック……。今夜の目玉の一つ……こいつか。上玉じゃねぇか……」
「……っ! 来ないで!」
檻の鍵を乱暴に開け、男が這い寄る。
いのりは隅へ逃げようとしたが、酒臭い息を吐き出す男の重体に押し潰され、床へと押し倒された。
「やめて、……離して! ローさん、助けて……っ!」
「あぁん? 誰だそりゃ。……いいから、俺に味見させろよぉ!」
男は乱暴にワンピースの上から胸を揉みしだき、嫌がる彼女の抵抗を力尽くで封じる。
そのままワンピースを捲り上げると、恐怖と屈辱に濡れそぼった場所が露わになった。
「へへっ、いいじゃねぇか……。美味そうな蜜がたっぷりだぜ!」
男は下着を強引に引き剥がし、そこへ顔を埋めた。
酒で熱くなった舌が、獲物を貪るように粘膜を舐めまわし、溢れ出る蜜をーーズズズッ、と下品な音を立てて啜り上げる。
「あ、……っ! らめ、……っ! ああぁぁっ!」