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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】

第10章 彼は彼女を取り戻したい 【ONE PIECE ロー】


「これ、この淡いブルーのワンピース! いのりの白い肌に絶対映えるわよ。…ブラウスも捨てがたいわね」

「わぁ、これ、とっても綺麗……。でも、私なんかに似合うでしょうか」

「何言ってるの! あんた、自分がどれだけ可愛いか分かってないでしょ。ほら、試着室入った入った!」

数分後、カーテンが開く。
そこには、ボロボロの姿からは想像もつかないほど、可憐で瑞々しいいのりの姿があった。

「——っ、ちょっと! 最高じゃない! 街の男たちが放っておかないわよ、これ」
「アイアイ! すっごく可愛い! お花みたいだ!」

二人の絶賛に、いのりは頬を赤らめて照れくさそうに笑った。

「……ありがとうございます。私、こんなに……自由でいいんだ」

その時、店の入り口から「チッ、騒がしいな」と聞き慣れた低い声が響いた。
退屈そうに荷物持ちをさせられていたローが、片手で帽子を直しながらこちらを見た。

「キャプテン、見てよ! いのり、すっごく可愛いでしょ?」

イッカクが自慢げに彼女を差し出す。
ローは無言で、じっといのりの姿を凝視したが、彼はすぐに視線を逸らして短く吐き捨てた。

「……マシになったな。……行くぞ、次の店だ。そんな薄着じゃ、海の上で風邪を引く」

「あはは! 素直に可愛いって言えばいいのに!」

「うるせェぞ、イッカク。……おい、いのり。ぼうっとするな、置いていくぞ」

ぶっきらぼうなローの背中を追いかけながら、いのりは胸の奥が温かくなるのを感じていた。
もう、誰も自分を汚さない。
このデタラメで広い海が、今はただ、愛おしかった。
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