第9章 彼は遊女の彼女を手放したくない 【鬼滅の刃 不死川実弥】
不死川はいのりを見上げようとして、すぐに目を逸らした。
暗がりの中、心配そうに自分を見つめる彼女の白い肌、遊郭で男たちを狂わせていたあの芳醇な色香。
血気術によって増幅された欲求が、牙を剥いて彼自身の心を喰い破ろうとしていた。
「行けっつってんだろ……ッ! 俺が、お前を、汚したくねェんだよ……!」
理性を繋ぎ止めようと血を吐くように叫ぶ不死川。
いのりはその震える肩を拒むことはなかった。
かつては自分を壊すための道具でしかなかったその肢体と技術を、今はじめて「大切な人を救うため」に使うことを決意したのだ。
「……嫌です。不死川さんが苦しんでいるのに、私だけ逃げられません」
いのりは不死川の制止を振り切り、熱を帯びた彼の身体に触れた。
驚いて身を引こうとする彼の頬を両手で包み込み、そのままそっと、自身の唇を重ねた。
「……んッ、……!? て、めぇ……な、に……」
不死川の思考が真っ白に染まった。
藤の花の香りと、彼女の甘い体温。
血気術で沸騰していた脳に、直接冷水を浴びせられたような、あるいはさらに火を焚べられたような衝撃が走る。
「……不死川さん、楽になりましょう? これは、私からの恩返しです」
いのりは不死川の制止を振り切り、震える指先で彼の袴を割り、熱く猛る芯を掌に包み込んだ。
「おい……っ、やめろ、それは……ッ! !」
露わになった彼の昂りに、まずは手技で緩急をつけ、圧を加えていく。
これだけで、媚薬に侵された不死川の身体はビクンと大きく跳ねた。
いのりは潤んだ瞳を彼に向けながら、その先端に舌を這わせる。
「ん、ぅ……っ」
先端を転がすように舐め上げながら、空いた手で彼の袋を優しく、慈しむように揉み込んだ。
適度な重みを感じながら指先で弄れば、不死川の喉からは、獣のような掠れた喘ぎが漏れ出す。
「ひ、ぅ……っ、お、まえ……あ、が……っ!」
さらに彼女は腰を落とし、下から這うように裏筋を何度も、執拗に舐め上げた。
敏感な筋を舌の熱でなぞられるたび、不死川は畳を爪が剥がれんばかりに掻きむしり、腰を震わせる。
「あ、ぁ……っ! 嘘だろ、……そんな、……んんッ!!」
十分な予熱を与えた後、彼女は大きく口を開き、彼の熱を根元まで一気に呑み込んだ。