• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第47章 片道と寄り道


来たよ…この話題

「こちらで、良いご縁談を用意しております
お相手の家柄も申し分なく、五条家にとっても有益なご縁になるかと
一度、お会いになるだけでも…』

「僕、そういうの頼んだっけ?」
声の調子は変わらない
だが、先ほどまでの気安さは無い

「いえ…ですが、五条家の今後を考えますと、必要なことかと存じます」
「そっか」
五条は空を見上げた

ぶっちゃけ、五条家とか御三家とか特に気にしてない
ただ、呪術界の情勢が変わりつつあることくらい、言われなくても分かっている
自分が最強であることが、呪術界がこれからも安泰であることではないのだ

だからこそ、教師をしている
自分一人が強いだけでは、何も変わらないと思ったから
その考えを、五条家の人間が理解していないわけではないだろう

それでも彼らは、五条悟という人間を、五条家を維持するための存在として扱おうとする…
昔から、そうだった

「まあ、その話はまた今度ね?僕、今忙しいから」
「悟様、ですが…」

「じゃ、切るよ」
返事を待たずに通話を終えた

画面が暗くなる
五条はスマホをポケットにしまい、短く息を吐いた

「……ったく」
吐き捨てるほど強い言葉ではない
ただ、面倒だった

今さら自分の人生まで、家の都合で決められるつもりはない
それに、縁談だの身を固めるだの
そんな話を、どうして今、このタイミングで聞かされなければならないのか

五条は頭を掻き、気持ちを切り替えるように踵を返した

     

「おまたせ」
紅海のところへ戻ると、彼女は街灯の下で大人しく待っていた

『おかえり』
「ただいま…さ、歩いて帰るよ?」

『うん』
五条は何事もなかったように歩き出した

紅海も隣に並ぶ
夜風が吹き抜け、紅海の髪が頬にかかった
彼女はそれを指で払いながら、少しだけ五条を見上げた

『悟、ありがとね』
「ん?」

『今日、ずっと一緒にいてくれたでしょ?お店でも、帰りも』
五条は一瞬、目を瞬かせた

それから、いつもの調子で口元を緩める
「お? 酔いさめた?」
『さすがに、待たされたしね?歩いて帰ってたら、ちよっとだけ』

/ 576ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp