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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第46章 秋の香りと想い


「紅海、ちゃんと歩ける?」
『歩けるよぉ』

「ほんとに?」
『ほんと!』

そう言って、紅海は一歩踏み出した
その直後、ほんの少しだけ足元がふらつく

五条はすぐに腕を伸ばし、彼女の肘を支えた
「……ほらね」
『あれ?』

「だから言ったじゃん」
『ごめんねぇ』

「別にいいよ」
五条の声は、いつも通りだった

大げさに心配するでもなく、からかい続けるでもない
ただ、紅海が歩き出すときには、自然に隣へ並ぶ

「じゃ、僕らは酔い冷ましに歩いて帰るよ」

少し後ろを歩いていた七海が、その様子を見て口を開く
「五条さん、帰ったら、流鏑馬さんには水を飲ませて、早めに休ませてください」
「はいはい…分かってるって」

「本当に分かっているのか、確認しているんです」
「七海、僕のこと信用してなくない?」

「普段の行いを考えれば、当然です」
「ひどくない?」

五条が肩をすくめる
その横で、紅海が楽しそうに笑った
『ふふっ…七海、悟に厳しいねぇ』
「流鏑馬さん、あなたも、もう少しご自分の飲酒量を考えてください」

『はぁい』
「……本当に分かっていますか?」

『うん!』
返事だけは元気だった

七海は小さく息を吐く
伊地知が車の鍵を取り出しながら、心配そうに振り返る

「流鏑馬さん、大丈夫ですか?」
『大丈夫!イッチー、今日はありがとうねぇ』
「い、いえ! 私は何も……」

『楽しかったぁ』
紅海は、にこにこと笑った
伊地知は困ったように、けれど少し嬉しそうに頷いた

「……それなら、よかったです」
五条は、隣で紅海の顔を見下ろした
頬はまだ赤い

目元は柔らかく、口元には笑みが残っている

「紅海」
『なぁに?』

「帰ったら水飲んで、ちゃんと寝ること…
梅酒は、今日はおしまいだからね?勝手にコンビニとか寄って缶チューハイとか飲むの禁止」
『……はぁい』

帰り道…紅海は楽しそうだった

そして五条は、彼女が明日になって今日のことをどこまで覚えているのか、少しだけ気になりながら、歩幅を合わせて帰路につく

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