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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第45章 文化祭とオムライス


二人の間には、長い時間を一緒に過ごしてきた者同士の、気安さがある
相手が何を言うか、どう返してくるか
そんなことを、いちいち考えなくても分かっているような空気

太田は小さく笑った
「紅海ちゃん、職場の皆さんと仲が良さそうで安心しました」
『えへへ……そうかな?』
「うん、楽しそう」
『楽しいよ!皆、いい人だし』

紅海がそう答えると、五条は横から口を挟んだ
「いやいや、僕なんて、1日に何回か怒られてるからね?」
『えっ!?そんなこと無いよ!』
「いやぁ、さっきだって、僕が心配してあげたのにさ」
『それは悟が、良い歳なんだから魔法はほどほどにしろって言ったからでしょ!?』
「事実、アラサーメイドのMPは低い」
『もう!』
紅海が頬を膨らませる
五条は面白そうに笑った…

サングラスの奥にある目が、どんな色をしていたのか
太田には分からない

ただ、ほんのわずかに五条は紅海を見て満足そうにしている
太田は、その一瞬を見逃さなかった
この人は紅海ちゃんのことを、本当に、ただの同期だと思っているのだろうか
もちろん、今ここで確かめるつもりはない

『太田さん、オムライス食べていって!頼んでくるから!』
「ふふっ、じゃあお願いしようかな」

紅海は嬉しそうに厨房へ
『虎杖くーん!オムライス2つ、お願いしまーす!』
「はーい!」
厨房から元気な返事が返る

その隙に、太田はもう一度、五条を見た
五条は、視線に気づくと、サングラス越しにこちらを向く
「……ん?」
「五条先生」
「はい?」
「紅海ちゃんを、よろしくお願いしますね」
五条は、少しだけ目を瞬かせた
それから、いつもの軽い笑みを浮かべる
「まぁ、僕がついてるんで、大丈夫ですよ…
…紅海に、ココ以外で話せる相手がいる事に安心したんで
逆に、これからも紅海の相手してくれたら有難いです」

『悟~!オーダーたまってるよ!』
「はいはい、じゃ、ごゆっくり」

紅海が以前話してくれた、あの「勘違いしそうになる人」が、この人なのかどうか
今は、まだ知らないでおこう
紅海が楽しそうに笑っている…そのことを、素直に喜んでおこうと思った
太田は夫とともに、客席へ向かう
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