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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第45章 文化祭とオムライス


教室の入口から、紅海を呼ぶ声がした
「紅海ちゃん!」
『……あっ!』
振り返った紅海の顔が、ぱっと明るくなる
『太田さん!』

メイド服の裾を気にしながら、紅海は小走りで入口へ向かった

「久しぶり! 元気そうだね」
『はい! 太田さんも! 今日は旦那さんと一緒に来てくれたんですか?』
「うん。せっかくだから、二人で見に来ようって」
太田は隣に立つ夫を紹介しながら、紅海の姿を改めて見た。
『こんにちは』
ペコリと太田の隣の男性にお辞儀をする紅海

まじまじと太田がメイドの衣装を見る
「……本格的ね?」
『えっ? あ、これ……!私発信じゃないんですよ!野薔薇ちゃん…えっと生徒が』
「ふふっ。似合ってるよ」

『ほんとですか? よかったぁ……』
紅海がほっと胸を撫で下ろす

太田は思わず笑った
こういうところは、相変わらずだ。

褒められると嬉しそうにするくせに、自分からはなかなか自信を持てない。

以前、紅海が一般社会のことをもっと知りたいと言ったとき、七海を通じて知り合った女性だ

最初は、呪術師の世界とは違う暮らしについて、少しずつ話すだけだった

それがいつの間にか、食事に行ったり、仕事や人間関係について相談を受けたりするようになった

紅海は、悩みを打ち明けるときでさえ、どこか遠慮がちだ

自分のことより、相手の都合を先に考えてしまう

だから太田は、紅海が何かを話してくれたときには、なるべく急かさずに聞くようにしていた

今日も、文化祭を見に来たのはそれだけではない

――元気そうで、よかった
そう思いながら、太田は教室の中を見渡した

生徒たちの呼び込み
厨房から聞こえる賑やかな声

その向こうで、白い髪の男性がフライパンを振っている。

黒い目隠しを着けたまま、慣れた手つきで料理をしている姿は、どうにも目を引いた

「…………?」

太田は、思わずそちらを見つめた
あの人は、いったい何なのだろう
教師、だろうか
いや、あの格好は……
一瞬、頭をよぎったのは、ハロウィンの仮装という言葉だった

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