第45章 文化祭とオムライス
一年生の教室は、文化祭開始からしばらくして、すっかりメイド喫茶らしい賑わいに包まれていた
厨房では、虎杖が注文を確認している
「オムライス三つ、パンケーキ二つ!」
「はいよ」
その隣で、五条が器用にフライパンを振っていた
「……あれ?」
虎杖が横目で五条を見る
「先生、執事姿とかになんないの?てっきり…」
「まぁね…僕がやっちゃうと、誰が主役?みたいになるでしょ?」
五条は卵をふわりと巻きながら答える
「自分で言う?」
「言う言う」
悪びれもせず答える
「まあ……そうなんだけどさ」
五条は出来上がったオムライスを皿に滑らせる
最後にケチャップを手に取ると、慣れた手つきで表面を整えた
「はい、完成」
「おぉ……」
虎杖が素直に感心する
「先生、なんでもできるね……」
「でしょ?」
「料理までできるの、ちょっと意外」
「失礼だなぁ…僕、だいたい何でもできるよ」
「すげぇ!」
虎杖が笑う
その横から、伏黒が皿を取った
「これ、三番テーブル……」
「任せとき!」
執事姿の釘崎がカウンターへ出てくる
伏黒からオムライスを受け取ると、釘崎は客席へ向かう
「お嬢様……」
女性客の前で恭しく一礼する
「ご注文いただいたオムライスをお持ちしました……召し上がれ」
「きゃー!」
女性客から歓声が上がる
釘崎は満足げに微笑み、堂々と戻ってきた
『……すごい』
紅海が目を輝かせる
『野薔薇ちゃん、かっこいい……!私も!』
「じゃ、次これ持ってって」
『うん!』
紅海は次に出来上がったオムライスを受け取った
客席へ向かい、指定されたテーブルの前で足を止める
『ゴ、ゴ、ゴシュジンサマ!お待たせしました!オムライス、お持ちしました!』
少し声が裏返った
厨房から虎杖が小さく拳を握る
「紅海先生、頑張って!」
伏黒は無言で様子を見ている
釘崎は腕を組み、見守る