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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第45章 文化祭とオムライス


「五条さんにまで隠す必要ないでしょう」
「まあね」
五条は軽く肩をすくめる

「僕もさっき言ったよ。普通に可愛いって言ってきたしね?」
「意外やな」

「何で?」
「五条さんなら、ひよって、紅海ちゃんの事からかうんかと…」

「ひよっ…………いやいや…さすがに勇気だして
メイド服着た相手をからかうのは嫌われるでしょ」

ますます意外やな…
嫌われるのとか関係なしに人間と接しとんかと思てたわ

いや、紅海ちゃんやから、嫌われるん嫌やとか思とんやろか…
そりゃそうやな…

この男は、流鏑馬紅海を好いている

「何黙ってんの?」
五条は楽しそうに笑う

遊佐は眼鏡を押し上げた
「……俺は、ちょっと考えすぎました」
「ふぅん」

「普段なら、もう少し普通に褒められるんですけどね
今回……似合いすぎてたんで…変に考えすぎて…」

五条の笑みが、ほんの少し深くなる
「ふーん」

「何です?」
「別に?」

「その『別に』は、絶対なんかありますよね」
「いやいや」

五条は紅海のいる教室へ目を向ける

「好きな子があんな格好してたら、そりゃ困るよね…
僕も困った…他のヤツに見せたくないからさ」

「…………」
遊佐は黙った

二人の間に、妙な沈黙が落ちる
お互いに分かっている

だからといって、譲る気も、張り合う気もない
ただ、同じ女性を大切に思っているのだ
それだけだった

「じゃ、僕は紅海のところ戻ろ」
「どうぞ」

「由布湯は?」
「……少し時間を置きます」

「なんで?」

「今行ったら、また言葉に困りそうやし」
「ははっ」

五条が笑う

「じゃあ、頑張って」
「五条さんも」

遊佐はそう言って、今度こそ廊下を歩いていった
その背中を見送りながら、五条は小さく笑う

教室の中では、紅海が相変わらず忙しそうに働いていた
「さて」

五条は、いつもの調子で教室へ向かった
「紅海ー!僕にも仕事分けてよ」

『えっ、メイドするの?』
「ちがうちがう…客寄せは疲れたから休憩したいって話し」

『ダメだよ、皆、頑張ってるんだから、悟も頑張って!』
「えー」

いつもの二人のやり取りが廊下まで聞こえてくる
遊佐は少しだけ立ち止まる
「……まあ、ええか」

そう呟いて、今度こそ歩き出した
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