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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第44章 おいでとさぼり


『それからね、その子とゲームセンターに行ったの!』
「ゲームセンター?」
『うん!』
紅海は楽しそうに頷く

『ゲーム…やったの』
「ゲーム?」
『画面の中の人がね、こうやって――』
 紅海が小さな拳を握る
『殴ったり、蹴ったりするの!』
「ほう」
『すとりーと?っていうゲームなんだって』

「随分と難しい名前を覚えたねぇ」
『それでね、その子が教えてくれたの』
紅海は嬉しそうに笑った
『お金も入れてくれた』
「……お金を?」
『うん』
そこで紅海は、少し申し訳なさそうに続ける
『おばあちゃんのお金は使ってなくて…その子がお金いれて出してくれて』
「そうかい…それは、悪いことしたね」
浅葱は頷く
『その子ね、今日はサボりなんだって』
「サボり?」
『うん、お勉強が嫌だからって、逃げたって言ってた』
「……」
浅葱の足が、また少し止まった
「それはまた……随分とませた子だねぇ」
『それでね、追いかけられてたの』
「誰に?」
『お家の人に』
「……なるほど」
『ざがく…があるんだって』
「座学?」
『うん勉強の事だって言ってた』
紅海は少し考えてから
『わたしの知らないこと、いっぱい知ってた!』
そう言った紅海は嬉しそうだった
浅葱は紅海の横顔を見る…こんなにも楽しそうに話している
「……そうかい」
浅葱は、静かに笑った

「じゃあ、今日は随分と色んなことを知って…あんたにしては、大冒険だったねぇ」
『うん!』
紅海は大きく頷いた

『またゲーム、やりたい』
「そうかい」
『……またできるかな?』

浅葱は少しだけ考える
「その前に、今度はちゃんと離れる時は、おばあちゃんに言ってからにしよう」
『……うん』

「約束だよ」
『約束』
小さな指を差し出す
浅葱は笑って、その指に自分の指を絡めた

この子には、そろそろ稽古を付けないとイケないのかもしれないと
ひっそりと思うのだった
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