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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第44章 おいでとさぼり


紅海は、ゲームをしたそうにしている

「ほら、次はお前がやってみろよ?」
硬貨を入れて貰い、キャラクターを選ぶ

画面の向こうのキャラクター同士が向き合っている

『ねぇ、どうやって動くの?』
「このレバー」
レバーをちょいっと動かす

『こっち?』
「そう、で、これが攻撃」
ボタンを押す

『えいっ』
紅海がボタンを押すと、キャラクターが拳を繰り出した
『わっ!』
「はは、当たった」

『もう一回!』
「お前、意外と飲み込み早いじゃん」
紅海は、えへへと笑った
『 でもこれ、むずかしいね!』

それから、少し間を置いて
『…おもしろい!』
へニャッと笑う

それは、浅葱の家に来てから初めて見せるような、子供らしい笑顔だった

画面の中のキャラクターが、紅海の操作に合わせて軽やかに動く

ジャンプする、蹴る…相手を倒す
『すごい!』
「そこ、こう」

少年が横の躯体でレバーを握る
『こう?』
「違う違う、こうだって」
『できないよ……』

カシャカシャとレバーを動かす

「貸してみな?」
『うん』
「ほら」
『わあ……!』
何度も失敗して、何度も笑って
気がつけば、時間が過ぎている


その時、少年は、ほんの少し動きが止まる
     
「……悟様」
「……」

「悟様、そろそろお戻りください」
「……」
背後から、低い声がした

振り返らない…彼らの気配を感じていたから

ゲーム画面を見たまま、コントローラーを操作している
「悟様」
「……分かったって」
完全に囲まれているが
紅海はゲームに夢中で、まだ気づいていない

「ほら、そこ!」
『え?』

「今だよ!」
『ここ?』

「そう!」
キャラクターが攻撃を繰り出す

《《You Win》》

『やった!』
紅海が嬉しそうに笑う
悟も笑った
「よし」

その直後、悟は背後をちらりと見る
何人もの五条家の人間が並んでる

「…………」
 さすがに諦めたらしい
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