第1章 I
『ジャック、起きて。朝だよ』
いつも通りの朝。いつもと違う点と言えば、ジャックより私の方が早く起きているということくらいだ。
「……さん…?随分早起きですね」
ムクリ、と彼が起き上がる。少し伸びをし、に顔を近付け…軽くキスをした。
「おはようございます、さん。」
ふふ、と微笑んだ後顔を洗いにベッドを立つ。
戻ってきた彼の顔には、いつもの仮面がついている。
彼の素顔を知っているのは、私だけ。
その事実を胸の奥で転がしながら、自分も顔を洗いに行く。
『ねえジャック、今日の朝ごはんは何かな?』
「今日はパンケーキだそうですよ。昨晩、ロビーが嬉しそうにみんなに言っていました」
『パンケーキか。アイスクリーム乗ってるかな?』
「乗っていたら、さんにあげますね」
軽く頭を撫でたあと、ジャックが少し身支度を整える。
「行きますよ、さん。」
彼がそう言ってドアを開ける。
『うん!行く!』
ジャックの手を握ると、軽く握り返される。嬉しくなって見上げると、彼も仮面越しに笑っているのがわかった。
『私たち、ずっと一緒だよね』
「えぇ、勿論。世界が終わっても。」
背後から、聞き慣れた声が割り込んできた。
「朝から随分お熱いね、2人とも」
『ん?あ、ジョゼフさん。おはよう』
「おはよう。君は相変わらずハンター棟に入り浸っているんだね」
『うるさいな』
ジャックが少し不機嫌そうにの肩を抱き寄せる。
「そんな顔で見るなよジャック。私は何もしていないよ」
「……。」
2人はこんな感じで最近少し仲が悪い。というよりも、ジャックがジョゼフをあまり好ましく思っていないように見える。
『いいから2人とも、ご飯食べに行こ』
ジャックがまだ不機嫌そうに頷き、ジョゼフも微笑んで頷く。
『ジョゼフ、今日はパンケーキだって!』
「ロビーに何度も聞いたよ」