【ワールドトリガー】Tone in full glory
第2章 ボーダー
翌日。
カノンは鬼怒田の元を訪ねていた。
雷蔵と共にいるラッドが、
エネドラであることを聞かされる。
「あれが、…………」
一度会ったことがある。
横柄で、冷めた目をした男。
黒トリガーによる浸食が進んでいたせいで、
本来はそこまでではなかったのだと
ミラが言っていたが。
その本来を知らない者としては、
ただただ性格の悪そうな輩であった。
「なんだあ?お前も掴まったか」
ざまあみろ。
けたけた笑うそれは。
ああ、記憶と一寸も違いないなと思わせた。
「ふん、お前とは違う」
鬼怒田はなんだかんだ、女性には優しい。
最初から礼儀正しいカノンに対して、
特に負の感情を抱くことはなかった。
「ふむぅ、どうにかして能力を観たいものだが」
「仮想空間があると、忍田さんから聞きました」
音を外部と遮断することが出来るなら。
空間内以外は被害がないだろうと説明する。
「そうか。ならば、用意しよう」
少し待っていてくれ。
そう言われ、しばしその場で待つ。
雷蔵が興味深そうに話しかけて来る。
「音、なんだ。かなり特殊だね」
「はい。アフトでも、それはもう」
聞こえさえすれば、
とてつもない範囲に及ぶ。
まさに、脅威の代物。
エネドラは。
幽閉時に見た時、死人のようだったと笑い。
雷蔵に、はたかれていた。
「待たせたな」
鬼怒田に声を掛けられ、移動する。
案内してもらった仮想空間に着く。
中には、おびただしい数のトリオン兵が配置されていた。
「いけるかね?」
「…………はい」
鬼怒田が退出し、合図を送る。
笛を発現させ、構える。
――――――――――
バタバタッ ドタンッ
次々に、兵が地面に倒れていく。
見ていた者たちは、その光景に驚愕する。
「これは、…………」
「恐ろしいな」
「敵でなくてよかったというべきか」
「肝を冷やすわい」
その場には、忍田と鬼怒田。
根付、城戸指令はモニターでその様子を見ていた。