【ワールドトリガー】Tone in full glory
第1章 再会
翌日。
早速、遊真たちが顔を見せに来た。
昨日会えなかったからと、
同じ隊の千佳とヒュースを紹介される。
「カノンといいます」
「雨取千佳です」
ヒュースは無言。
遊真は肘で小突く。
「挨拶くらいしなよ」
「………ヒュースだ」
ああ、なるほど。
ハイレインが置いてきたと言っていた。
彼が、あの。
「会うのは初めて、ですね」
「そうだな」
昨日は属国の母船であったこと、
アフトの兵は一部のみであったこと。
短時間であったことで、
ヒュースは機会を逃してしまったのだ。
「ミラがそう助言したと聞いているわ」
「くそっ、」
あの女。
ヒュースは悔しそうに唇を噛んだ。
「帰れると、いいですね」
「お前は違うのか」
「…………、」
ここには遊真がいる。
そう思ったのは事実ではあるが。
同じようにアフトに捕らえられている仲間もいた。
正直、複雑な気持ちではあった。
「カノンさん、不自由ありませんか」
「ううん、今のところは」
遊真が隊長と言っていた。
修の気遣いに感心する。
千佳は訓練があるからと挨拶をしその場を離れ。
ヒュースも、もういいだろうと帰っていく。
修は太刀川隊に用があるらしく、また、と言って去った。
遊真とカノンは、ベンチに腰掛ける。
遊真は姉のように。
カノンは弟のように。
短期間ではあったが。
一緒に過ごしていたときのことを思い出していた。
「もう、聴けないんだね。あのピアノ」
「…………そうだね」
皆の前で、カナエが弾き、カノンが歌い。
にぎやかで楽しい時間を、共に。
「連絡くれたら、飛んで来るよ」
「ふふ、ありがとう」
カノンは、遊真の頭を撫でる。
子ども扱いして、と口を尖らせた。
「…………遊真くん、」