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【ワールドトリガー】Tone in full glory

第5章 欲しいもの




玉狛支部付近。


「カノンさーん」


修と千佳であった。
千佳は自転車に乗っている。
どうやら、そのまま本屋へ向かうらしい。


「空閑に会いに来たんですか?」
「うん。大学帰りに寄ったの」
「修くん、カノンさん。じゃあ行くね」



手を振ったあと。
千佳は自転車であっという間に見えなくなった。



いいなあ。

生身であんなに早く動けるんだ。
やはり、練習したほうがいいような。
レイジさんみたいに、
車を運転するのには資格がいるらしいし。


勉強するのは好きだけれど。
調べてみると、法律はもちろん、
教わらないような暗黙のルールみたいなものも
たくさんあるようで。
元々こちらの住民ではない自分には、
なかなかハードルが高い代物だと思った。


「カノンさん?どうかしたんですか」


黙って考え込んでいると、
心配そうに声を掛けられる。


「ううん、なんでも」


またね、と言って修と別れ。
本部に向かって歩き出す。


千佳が本屋に行くと言っていたことを思い出し。
自分もたまには寄り道してみようかと思い、
店が並ぶ街のほうへ。



既に服は何着か買ったし。
おそらく加古に選んで貰った方が
よいのだろうということはわかった。



音楽が流れている。
CDショップか。
楽器店が併設されているのだろう。
壁に掲げてあるギターが見え、
興味を引かれ入ってみる。



目に入る、鍵盤。
シンセサイザーというものらしい。
ものめずらしそうに、店内を見て回っていると。


「気になるものは、試し弾きできますよ」


そんなこと、させて貰えるのか。
カノンは椅子に立てかけてある、
飴色のアコースティックギターに目を留めた。




ポロン…………


弦から奏でる音。
耳を澄まし、目を閉じる。



「――――――――――」



自らが紡ぎ出すメロディーを聞きながら。
その心地よさを噛み締め。
カノンは口ずさんでいた。



曲を終えたところで目を開けると。
店内にいた人たちが、集まっていて。
盛大な拍手を送られる。


「…………、」





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