【ワールドトリガー】Tone in full glory
第5章 欲しいもの
本部・地下
キーロックのある、頑丈な扉。
マザートリガー管理室。
そこには。
迅、忍田、瑠花がいた。
「カノンは?」
「いつも通りだ。………表面上は、だが」
「迅。どうなの」
未来が視える、
サイドエフェクト。
迅には。
カノンがどういう状態なのか。
少なくとも、心境以外は。
視えている。
「…………、」
脱水症状になるまで嘔吐を繰り返し。
力尽きたように眠っていた。
床に、倒れるように。
遊真と抱き合い。
落ち着きを取り戻してはいた。
「…………視たのは、そこまでだ」
最善を、尽くしている。
それだけなのだ。
忍田も、瑠花も。
彼の選択を、信じている。
けれど。
「…………カノンがね、言ってたの」
この黒トリガーは、
母の大切な一部なのだと。
手元にあるだけで。
生きていけるとさえ思えると。
それを遣って。
沢山の命を救えること。
それを誇りに思っている。
―――――はずなのに。
「気付いてしまったのね。救うことは………奪うこと」
「…………そうだな」
私は自身で選んだ道だから構わない。
でもカノンは、違う。
「カノンの味方よ…………私は」
「…………瑠花」