【ワールドトリガー】Tone in full glory
第4章 隠しごと
その日。
カノンは、初めて。
部屋から一歩も出ることなく。
一日を終えた。
電話が鳴っていたような気がしたが。
聞こえないふりをした。
「…………―――――」
深夜。
ノックが聞こえ。
扉を開ける。
「迅、さん」
「行こうか」
こくりと、頷き。
後ろを、ついて行く。
視線は。ずっと下のまま。
エントランスには、天羽がいた。
他にも、B級以上の隊員がちらほら。
そして、菊地原の姿も。
「そっちは、頼むね」
「うん」
迅が天羽と話している間。
菊地原の視線を感じ。
カノンはずっと。
俯いていた。
本来ならば。
風間らと一緒に、配置につくはずなのだ。
けれど。今回は。
「…………」
迅と共に、配置位置に向かう。
既に、カノンと天羽以外の配置は済んでいるらしい。
そして。
早朝5時。
ゲートが開かれる。
おびただしい数のトリオン兵が、
転送されて来るのが見え。
すべての兵が、地に降りた、そのとき。
カノンは黒笛に、唇を寄せた。
「――――――――――」
轟音が、うねるように鳴り響く。
息が続く限り、それは続く。
トリオン兵は次々に倒れ。
地面にその山が、築かれていく。
音が、止み。
迅はカノンが笛を下ろしたのを確認し、
通信で指示を出した。
「お疲れ様」
「………はい」
迅は小さな声で。
酷なことをさせてすまない。
そう、言った。