【ワールドトリガー】Tone in full glory
第4章 隠しごと
加古が言うには。
支給された服を着ているカノンが、
我慢ならないらしい。
「絶妙に、ださいのよ」
「…………、」
そうはいっても。
服なんて、着れれば別に。
これは言うべきではないのかもしれないが。
そもそも、国が違うわけで。
こちらの服の良し悪しなど、
わかるはずもないのだ。
目を輝かせ、
あ、これ似合いそう。
これもいいわね。
張り切る加古を見て。
くすぐったい、こそばゆい。
そんな、温かい気持ちになる。
「じゃあ、望が見立ててくれたの買うよ」
「…………!ええ、」
とびきり似合うの、選んであげる。
うん、わかった。
それから、
暗くなるまで。
言われるがまま、
着せ替え人形になりつつ。
ふたりは買い物を楽しんだ。
本部前。
「じゃあ、また明日ね」
加古家の車で送ってもらい、別れる。
エントランスに入ると、
ソファで見知った顔が数名。
寛いでいるのが見えた。
「お疲れ様です」
「あ、おつかれ、……………………」
会釈して、そのまま歩いて行く。
「なにあれ、か、かわ、かわわ」
「イコさん、落ち着いて」
「服だけで変わるもんだねえ」
離れたあと、何か言われていたが。
話しかけているようでは無かったので、
気にしないでおくことに。
太刀川と出水が前から。
こんばんは。というと、
じろじろと不躾に見られる。
「? 何か」
「あんた、そんな顔だったんだな」
「ちょっ、太刀川さん、」
デリカシーの欠片もない男、太刀川は。
いつもヘンテコな服着てるせいで、
そっちに目がいってしまい、
ろくに顔を見てなかったと言い放つ。
「…………、」
そんなに、変な恰好してたのか。
皆、何も言わないで
そう思ってたってこと?
ショックを隠し切れないカノンを見て。
出水は、フォローしようと必死。
「なんだよ、誉めてんだろが」
「誉めてませんて」