【ワールドトリガー】Tone in full glory
第4章 隠しごと
本部長室。
「カノン」
「瑠花、来てたの」
陽太郎の姉。
アリステラの王女。
マザートリガーのこともあるし、
立場も全然違うため、
頻回に会えるわけではないが。
同じ近界民として、親近感もあり。
たまにこうして、姿を見せてくれたときは
仲良くさせて貰っている。
彼女はわたしよりもずっと。
いろんなものを、抱えているに違いない。
少しでも。
和ませることができれば、嬉しいと思う。
「…………、」
ガロプラの王子、知ってる?
なんて。
聞けないか。
そもそも。
彼は名を偽っていた。
詳しい事情がわからない以上、
余計なことを
第三者が口にすべきではない。
「そのうち、玉狛支部へ行こうと思ってるの」
陽太郎にも会いたいし。
一緒に行きましょう。
そう言われ。
もちろん、と返事する。
彼と瑠花が結婚して、
国を再建したらいいのにな。
そしたら、喜んでそこに移住するのに。
私以外にも、ガロプラ出身者はいたし。
きっと、皆 そうするだろう。
勝手な妄想を膨らませていると。
あさっての方を向いている、と瑠花に抗議される。
「私といるときは全力で相手しなきゃ駄目よ」
「ご、ごめん」
王女様なので、この物言い。
でも全然、不快じゃなくて。
強くあろうとしていること。
それが、わかるから。
「どうしたの?」
「ううん。わたし、瑠花のこと好きだよ」
わたしもよ。
そう返してくれる。
扉が開き、忍田が姿を見せる。
「瑠花、そろそろ」
「わかったわ」
手を振り、ふたりと別れる。
沢村は、テーブルにあるカップを片付けながら。
「あなたが自然に話せるひとが出来て、よかったわ」
「沢村さん…………、」
感謝しても、しきれない。
沢村さんも、大好きです。
そう言うと。
思いっきり、抱きしめられた。