【ワールドトリガー】Tone in full glory
第4章 隠しごと
ふたりが去ったあと。
「遠征選抜受かるしかなくなったろ?」
迅は修を鼓舞したのち。
じゃあ、とその場から離れていく。
カノンは迅を追いかけた。
「あの、わたし―――――」
「余計なこと、だったかな」
少しだけ、気まずそうに。
迅は頭を搔いた。
会わせる必要はなかったはずだ。
だから、これは。
彼の、優しさ。
カノンは。
精一杯の感謝を、笑顔を。
彼に向けた。
いいえ。
そんなこと、ないです。
ありがとうございました。
なら、よかった。
迅はほっとしたようすを見せたのち。
手を掲げ、歩いて行った。
その頃。
ひと仕事終えたふたりは、
三門市の景色を見ながら、
ゆっくりと歩いていた。
「なあ、知ってるひとだったのか」
「グレンは、宮廷の調律師だったんだ」
巻き込まれて、命を落としてしまった。
小さい頃、何度か遊びに来ていた。
だから、見たことがあったのだろう。
「へえ。こんな偶然、あるんだな」
「…………そうだな」
ここにいるということは。
彼女も、また。
「……―――――」
うまくいくといいな、というレギに。
ああ、と返事し。
ラタとレギは船に戻った。