【ワールドトリガー】Tone in full glory
第4章 隠しごと
ある日の夜。
迅と共に。修、遊真は
玉狛支部近くの河川敷にいた。
そして、もうひとり。カノンの姿も。
はじめて迅から電話をもらい。
修、遊真と一緒に人と会うから、
よかったらおいでと。
強制はしないと言われたものの。
わざわざ電話をくれたくらいだし、
なにか理由があるのかも。
そう思い、同行することにした。
そのとき。
離れたところから、
歩いて来る人影が。
「はい、自己紹介して」
迅に促され。
ふたりに続いて挨拶する。
男性のふたり組であった。
彼らはラタリコフ、レギーと名乗った。
ラタと呼んでください。
そう言った彼は。
どこか、見覚えがあるような気がした。
「…………」
話を聞いていると。
迅が手を組むために、
事前に話をしていたらしかった。
アフトの支配下におかれている、
ガロプラの代表として、来ているらしい。
ガロプラ。
父の故郷。
戦争が始まり、母の故郷へ逃げた。
結局、そこも、侵略され。
アフトの配下になってしまったが。
ぼんやりと。
そんなことを考えていると。
迅は、ラタがブレスレットを持って来ていることを言い当て。
未来が視えるのだということがわかる。
そんなサイドエフェクトがあったなんて。
初対面のとき、
彼がしばし固まっていたことを思い出す。
なにか。視えたのだろうか。
「…………、」
ふと。
ラタニコフと眼が合う。
少しはにかんだ笑みを見て。
―――――なにかを。
「あ、……―――――」
そうだ。
彼を、私は知ってる。
目を見開き凝視するカノン。
ラタは不思議そうに。
どうかしましたか、と聞いた。
「私の父は…………グレン、です」
「!」
知っているならば。
これだけで。
充分。
「…………、残念です」
「…………あなたも」
ふたりは。
眉を下げ、
笑みを浮かべ。
また、会えるといいですね、と。
握手を交わした。