【ワールドトリガー】Tone in full glory
第3章 ノーマルトリガー
次の日。
沢村に、たまにはゆっくりしてもいいのよと言われたが。
理由もないのに休むのも、
今後のことを考えると良くないと思い。
いつも通り大学へ向かった。
「おはよう、カノン」
「おはよっ」
加古、藤丸。
いつも通りの挨拶。
そう。これでいい。
講義室では。
数名と挨拶を交わし。
何事も、なかったように。
一日を終えた。
「あら、カノンは?」
「ん?さっきまで、いたはずだけどな」
カノンはひとり。
講堂にいた。
ポーン………
ピアノの鍵盤が、沈み。
音を奏でる。
「――――――――――」
優しい、ひだまりのような曲。
まるで、それは。
子守歌のよう。
柔らかく、口ずさむ。
なんの不安もなかった、あの頃。
楽しかった、日々。
母の慈しむ視線を感じ。
ただ、唄っていただけ。
思い出が溢れてきて。
心を満たしてくれる。
涙は。
出ない。
ただ、ひたすらに。
笑顔で。唄を。
「なんて、素敵なの」
「ええ………そうね」
加古と橘高が手を振る。
カノンは。
それに気付き。
笑顔を向けた。