ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第24章 第二十四話
「ユラくんみたいに魔法剣士になりたい?」
酔っぱらって、ユラくんに絡んだ日の数日後、シオが言ってきた。
「そう!魔法も使えて、剣も使えたらかっこいいもん!!」
ユラくんは私と眼を合わせた後、シオを見て言う。
「それには、魔法の勉強も、剣の勉強もしなくてはなりませんよ?」
「楽しそう!!!」
シオは大喜びで「やりたーーい!」と言った。
「ただでさえ、怪我が多いのに…」
私は頭を抱えた。
「私が教えてもいいんでしょうか?」
と、ユラくんが言うと、
「ユラくん教えてーー!」
シオはユラくんの首にぶらーんとぶら下がりながら言った。
もうすっかりシオはユラくんに懐いていた。もともと人懐っこい子だけどさ。私と大違いだわさ。
ちなみにシオも「ユラくん」と呼んでいる。…セカはおじちゃんなのにね。
「私はいいですが、シア…ヨアンさんの判断によります」
「ママは絶対ダメって言うもん!!!」
「ま、まあ…そう、ね…」
私は正直悩んでいた。
これ以上怪我が増えるのも嫌だけど、シオに我慢ばかりさせるのも良くないと思っていた。なんていうか、反動でもっと危ないことしそうだから。
「え?いいの??」
私が返事に迷っていると、シオはぱぁっと顔を輝かせた。
「ユラくんに教えてもらうなら、いいかな…?」
「やったーーー!!」
こうしてこの日から、ユラくんによるシオの修行が始まったのであった。
シオは、今まで有り余っていたパワーが発散されるのか、生き生きとしていた。
木刀を買ってきて、姿勢や素振りだけの日々だけど、毎日楽しそうだった。
…これでよかったのかも。
魔法のほうも、ユラくんが貴族図書館で本を借りられるので、今度フェンリル国まで行くことになった。
「私が行くのは危ないかな?」
とユラくんに聞くと、
「そうですね…まだラドクリフ様がお探しになっておられますので、気配を消す帽子でしたっけ?それは被ったほうがいいかもしれませんね」
と答えた。
「そうなんだ…」
私は婚姻は離縁となったけど、まだ、ラドクリフ様の養女のままらしい。
まだ諦めてないんだなぁ…。