ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第17章 第十七話
そして、ダンジョンを目指すこと半日。
目前のオアシスに一泊することになった。
「キャンプ!キャンプ!」
シオはもう大喜びである。
「シオ、今日はしっかり寝なさい。昨日ほとんど寝てないでしょ」
「うー。寝たくないー!もっと魔法の練習するー!」
と言って、走り回ろうとするシオを両手で押さえつつ、
「じゃあ、おやすみなさい」
みなさんに挨拶して、テントに入った。
「ねーねー。ママっていつから魔法使えてたの?全然知らなかった」
「…そうねぇ…、シオの生まれる前からは使えてたよ」
どうやって、魔法が使えるようになったかは、さすがにシオには言えなかった。
「そうなんだー!世を忍んでたんだね!」
「どこで覚えてきたの、その言葉」
シオは時々、こうやって変な言葉を覚えてくる。
子どもって、ほんとおもしろいわぁ…
そんなことを考えていると、いつの間にか眠りについていた。
次の日
「ママ、起きれる?」
朝はたいていシオのが早い。
朝が苦手なのは相変わらずなのだ。
「起きれるー」
私は一息に起き上がって、背伸びした。
テントから出ると、見張り係だったリックさんがこちらに向かって手を挙げた。
ぐっすり眠ってすみません!
私は深々と頭を下げ、そちらに行った。
「あの…ありがとうございました」
「これくらい、いつものことだ」
そう言って、彼は立ち上がった。
「あら、ヨアンさん。おはようございます」
「レイチェルさん、おはようございます。みなさんもう起きてますね、すみません」
いえいえ、とレイチェルさんはにこやかに手を振った。
「ごはん、食べましょう!」
そうして朝ごはんタイムになった。
…なんかこういうのも、新鮮だなぁ。
シオとレイニーさんで毎日ご飯食べていたので、私も楽しい気持ちになった。
シオがひたすら話していることは変わらないけど、楽しいごはんタイムだった。
その後出発すると、すぐに巨大な洞窟が見えてきた。
まがまがしい紫色をしている。まるでそれ自体が生き物みたいだ。
「ダンジョンというのは、魔物の住処なのですが」
私はレイチェルさんに疑問に思ったことを聞いてみた。