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ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる

第15章 第十五話


懐かしい顔が浮かんだ。…元気かなぁ?レイニーちゃん。

「では…もしもまた会うことがあれば、その時まで」

そう言って、マッドはネオンの町の中へと消えていった。

「行っちゃった…」

眼で追えるところまで追っていたが、見えなくなって、ぽつりと私は言う。

すると、レイニーさんが、

「じゃあ、シアンちゃん。あら、シアンちゃんって呼んだらまずいんだっけ」

と困っていたので、

「ヨアンと呼んでください」

と言った。...少し変えただけだけど。

「じゃあ、ヨアンちゃん。ヨアンちゃんは二階を使ってね」

そう言って二階を案内された。

「ごめんねぇ、荷物置き場だったから、きれいじゃないけどぉ」

お掃除グッズを持って二階に上がったので、なんとなく察しておりました。

「お掃除しまーす!おいてある荷物は、端に寄せちゃっていいですかー?」

「いいわよぉ。あたしはお店があるから手伝えないの、ごめんねぇ」

そう言って、内股で起用に階段を駆け下りて行った。

「よぉし!やるぞーん!」

あ、口調が移った!

こうして、新しい生活がスタートした。

私はときどき帽子を市場に卸したり、バーの手伝いをしてお金を稼いでいた。
なるべく目立たないようにしつつ、外出では、マッドが使っていたという人の印象に残らない帽子をかぶった。

レイニーさんもいい人で、バーで最初うまく話せなかった私のフォローをよくしてくれた。

そして、早朝5時。
バーを閉める時間になった。

「本当に、いつもありがとうねぇ。お酒飲めないのに、酔っ払い相手に頑張ってくれて、助かるわぁ」

めちゃくちゃほめてくれるなぁ。
私は結婚式の日に、18歳になっていた。この国の法律ではもう飲める年齢だけど、なんとなく二十歳まで飲みたくなかった。

そして、なんと金一封もいただきました!やったー!

「いつも慎ましく生活しているヨアンにボーナスよ」

と、ウィンクをするレイニーさん。
姉貴、素敵すぎだぜ。

私はありがたく、お金を受け取った、その時。

不意にめまいを感じて、その場に座り込んだ。

「え?大丈夫?どうしたの??」

「ちょっと、気持ち悪くて…」

風邪だって滅多にひかない体質の私には珍しく、めちゃくちゃ具合が悪くなった。

「夜型の生活に、慣れてきたと思ったのに…」

口元を押さえつつ話していると、
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