ぐうたらの私が異世界で帽子屋(マッドハッター)になる
第12章 第十二話
「わかってくれる?」
ハリーナ様の問いに、ただ「はい」と答えた。
「謝礼は渡します」
「しゃれい?え、そんな…大丈夫です」
私は何の謝礼なのかわからず、さすがに受け取れないと思ったが、
「わたくしたちにもメンツがありますから、どうか受け取ってください」
そう言って、ハリーナ様とセカのご両親からかなりの額をもらった。
渡されてそのまま、私は追い出されるようにしてランディス家を後にした。
そして、門の前に立派な馬車が待っていた。
「おかえりなさい」
中には、ユラくんが腕を組んで座っていた。
私の顔を見るなりぽつりとそう言った。
「……ごめんなさい…」
「行きますよ、ラドクリフ家に」
私は景色が通り過ぎていく窓から、暗いランディス家を、いつまでもいつまでも見ていた。