第7章 禪院と事情
だから直哉はいつか仁美は悟の元に戻ると思っている。
あのプライドの高い仁美が、自分はともかく自身が産んだ子供が消耗されるだけなんて絶対に耐えられるはずがないから。
(将来どうなるにせよ、今は仁美の人脈が俺には必要や。)
今は自分の側で楽しませ、利益になるならそれでいい。
仁美との結婚は直哉にとって、儲けになるだけでマイナスにはならない。
ーたとえそこに五条悟の存在があっても。
五条悟が本気で仁美を奪いにきたなら、仁美を引き渡せばよい話だ。
悟と本気でやり合うつもりなんて直哉には無い。
(せやから今は、大人しゅう俺の側におったらええ。)
そう思いながら直哉が向かった先は、仁美と自分の家。
そして仁美が居る部屋だった。
思ったより早く帰ってきた直哉に、仁美は少し驚いた顔をした。
直哉は部屋に入ってきて、仁美の顔を見ると少しだけ表情を緩ませた。