第13章 推しと好き(爆豪勝己)
「お前、それどうすんだ」
情事が終わった後、制服を直す私に爆豪くんが突然意味の分からない事を言ってきたので首を傾げると、ブレザーのポケットを指差されて例の手紙の存在を思い出してしまった。
……あ、カンペキ忘れてた……
「別に、どうもしないけど……?」
「じゃあ、寄越せよ」
言われた通りに爆豪くんの目の前に手紙を差し出す。
すると、それを受け取ったと思ったら机の上にあった実験用のカセットコンロに火をつけたのでちょっと嫌な予感がした。
ま、まさかとは思うけど……
案の定、火で炙られた手紙はパチパチと燃え出した。
「ちょっ……!」
なんか猟奇的だし何より火事りそうで怖いから!
「爆豪くん危険!それになんか可哀想だからやめたげて!」
思わずコンロの火を消すと、チッと舌打ちをされる。
もう、ただの燃えカスになった手紙を哀れな気持ちで眺めていると、爆豪くんにギッと睨まれる。
「ンだよ、これに未練でもあんのか?」
「……いや……ない、ですすみません……」
まさか……まさかとは思うけど……
これって、爆豪くん的ヤキモチってやつなのかな?
わ……分かりずらっ!
そんな事を思ったけど、ヤキモチをやかれたのが嬉しくてつい顔がにやけてしまったのを目撃されて、更に睨まれる。
「なにきめぇ顔してんだテメェは!」
やっば、見られてた!
「な、なんでもないですホント!」
ブンブンと首を振ると、ガっと胸倉を掴まれて今度こそ殴られるんじゃないかと思ってつい目をぎゅっと瞑ってしまった。
けど、次の瞬間唇に温かい感触がしてキスされているというのに気づくのに時間はかからなかった。
ちょっと……愛情表現が、独特すぎやしない……?
触れるだけのキスはすぐに終わって、爆豪くんは私から身体を離した。
「行くぞ」
そう言って歩き出した後ろ姿を見ていると、耳が赤くなっていて面白……いや、カワイイなとか思いつつ、爆豪くんの背中を追いかけて私も歩き出した。
推し活よりも、大事なものができてしまった。
明日からは、誰よりも早く爆豪くんにおはようって言ったげようと心に決めた私なのだった。
おわり