第13章 推しと好き(爆豪勝己)
視線が絡み合って、胸がドキドキと高鳴っていく。
私が爆豪くんを好きだという、決定的な証拠だった。
「……じゃあ、」
「え?」
爆豪くんが何かを言いかけたので、不思議に思っているとふいっと視線を外された。
「……いや、アレだ……ンだぁ……」
そして、後頭部をがしがしと掻き始める。
こんな、ハッキリしない爆豪くんを見るのは初めてだった。
いつもだったら、キッパリハッキリ何でも言っちゃうくせに。
しかもその横顔は、照れてるような、怒ってるような……ちょっと、単純な私の脳味噌では理解しきれないような、微妙な表情をしていた。
「ば、爆豪くん……?」
私の声に反応して、ちらっと視線をこちらに向けた爆豪くんがいつもよりも低い声で言った。
「……俺に、しときゃいいだろ……」
それは……つまり……
爆豪くん……私を、好きって事?
「……はぁ……」
やっと、欲しかった告白をされたというのに、吃驚しすぎて実感もわかずに何ともまぁ気の無さそうな返事をしてしまった。
「どっちなんだよ、それ」
「……いや、その……えっと、しときます……爆豪くんに……」
瞬きも忘れて、そう言っていた。
いや、なんかホントに、ビックリしちゃって……うん……
げん……現実?コレ……
「わ、私「口閉じて、目もついでに閉じとけ」
そう言われて、反射的に開いていた口をぐっと閉じた。
「目ぇ閉じろや」
「え、私これから殴られる?」
口と目を閉じろなんて、闘魂注入的な何かをされるとしか思えなかった……私の浅い経験上では。
「テメッ……なんでそうなンだ!馬鹿か!」
「え、だってうわっ!?」
いきなりキレた爆豪くんの手が私の目を覆ったので、突然視界が真っ暗になる。
「ちょ、真っ暗!なに、なんで!」
吃驚してしまって、右腕をばたばたと上下させるとそれをがしっと掴まれた。
「テメェはもう黙っとけ」
次の瞬間、唇に温かい感触がした。
「ん……!?」
キスされているという事に気付くのに、少し時間がかかってしまった。
「……は……」
やがて、唇と手がゆっくりと離れて目の前には顔を赤くした爆豪くんの顔があった。
「好きだったんだよ、繭莉……お前の事が」
面と向かって好きだと、言われてしまった。