【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
新しい通知はない。
けれど、それを確かめずにはいられなかった。
“今日、一日一緒にいる”
仁美 が昨夜そう言った瞬間、黒尾の胸の奥に湧き上がった感情は、恋というより、もっと別のものだった。
安心と……所有欲。
彼はそれを自分でも笑えるほど自覚していた。
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仁美 と合流すると、黒尾は自然を装いながらも、その指先を絡めるまでの時間が妙に早かった。
「今日は全部、俺がつきあうから。」
言葉は軽く。
でも掴んだ手は離さない。
家につくと、黒尾は迷いなく 仁美 を自分の部屋に入れる。
勉強道具を机に広げる 仁美 を、黒尾はベッドに座ってずっと見ていた。
ページをめくる手の動き、眉間に寄る皺、伏せた睫毛。
ひとつひとつが愛しくて。
ひとつひとつが不安だった。
彼女が自分の知らない誰かに、こんな表情を向ける未来を、どうしても想像したくなかった。