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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


「……なぁ澪ちゃん。僕、めっちゃしたいねんけど、どうしよ…」

玄関に入るなりそんなことを言われて、え?と彼の顔を見る。頬が少し赤くなり、息は少し荒かった。怪我で熱が出てるのかと思ったが、どうやら違うようだ。

彼の下半身を気にしながらリビングに向かった。

「澪ちゃ〜ん、僕、風呂入りたいわ。手伝ってくれへん?」

一緒に入るのはソコが気になって、逆上せてしまうかもしれない。家に帰ってきた瞬間から、ずっと膨らんでいる。見ないようにと必死に彼の顔を見るが、絆創膏があってもかっこよすぎて俯いてしまう。

沸かしてくると急いで浴室に向かった。戻る頃には治まってくれていないだろうかと願いながら、浴槽を軽く流してから沸かした。

「……いつやっけ…僕が最後に出したん…」

なんのことかと思い、その顔を見つめる。

「君に風呂でしてもらった時やった気ぃする…」

そっちのことか!一気に顔が熱くなり、俯いて必死に治めようとした。
それなのに頬に手を添えて上を向かせられる。そっと親指で唇を撫でられた。

「……この口にもっかい食うて欲しいんやけど」

顔どころか耳も熱くなって、震えた手で頬に触れる腕を掴んだ。

「…怪我、してるから…ダメ」

「澪ちゃんが咥えるだけやったらええやろ?僕かて手は動かせる。澪ちゃんのことも気持ちようするから…あかん?」

お風呂上がったら…と目を逸らして答えた。
私に触れたいと思ってくれている。そんなの、断れるわけない。頑張った彼の身体を労りながら、少しだけ2人の関係を進めたい。

こっち向いてと言われ、渋々目線を宗四郎さんに向ける。

「口、開けて」

言われるがままに開けると、近付いてきた唇が触れ、舌が優しく絡んだ。熱い…宗四郎さんの熱で私まで体温が上がっていく。

流れ込んでくる唾液を飲み込んで、必死に応えた。
わかってる。これはただ、偽りであっても妻だから、一緒にいるから…だから私を求めている。この身体を。

それでもいいとさえ思う程、私は甘だるいこの人に溺れている。息が出来ないくらい。
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