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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


みんなが怪我の治療をする中、私はただ宗四郎さんの腕の中で瓦礫となった基地を見つめた。両親がいた場所、私が育った場所…それが今はほとんどが崩れていた。

「宗四郎さん……治療しないと…」

「ん…澪ちゃん、行こ」

後方支援の隊員から包帯などをもらって手を引かれていく。

「本当に私でいいの?ちゃんと診てもらった方が…」

私に治療をしてもらいたいらしく、少し影になるところに来た。瓦礫で隠れてスーツを脱いでいく宗四郎さん。
隠れる必要は有るのだろうか…。

インナーを脱がせてと言われたので、裾に指を掛けて脱がしていく。腕を抜くのが痛いらしく、顔を顰めて軽く痛みに喘いでいる。

「やっぱり、ちゃんと診てもらった方がいいよ…折れてたらどうするの…」

「ん、後で病院行くからやってや」

上半身裸になった彼の身体を見ると、至る所が赤く腫れていた。大丈夫やと笑っているが、痛みは誤魔化せないようだ。軽く腫れているところに触れると熱い。宗四郎さんは顔を顰める。

腫れている箇所に湿布を貼って包帯を巻いていく。
これは治療…そう思うのに、直接肌に触れるとドキドキしてどうしようもなかった。

包帯を巻き終えて顔の血をタオルで拭き、擦り傷がある場所を消毒する。

「っ…そこは澪ちゃんが舐めとってくれたら治るんやないかな…」

「何言ってるの……ちょ、ちょっと…」

絆創膏を貼ろうとする指先で軽く胸に触れられる。
ぷるぷると指を震わせながらなんとか貼り終えた。

今はダメだと言っても指が離れることはなく、今度はしっかり揉んできた。

「澪ちゃんは?怪我してへん?」

首を振ると胸から手を離して、頬に触れられる。消毒をされてピクッと痛みで反応した。ふっ…と鼻で笑いながら絆創膏を出して貼られる。

宗四郎さんが一人で本獣と戦ってくれたから、みんなの怪我はそこまで酷くない。一番酷いのは宗四郎さんだろう。

「澪…ちゅーして」

いきなり呼び捨てにするのやめてくれないかな…心臓止まりそうになるから。

躊躇っていると早くとせがまれて、軽く唇を触れさせる。離れようとすれば唇を舐められて深いものに変わっていった。押さえられているわけじゃないから離れられるのに、私は離れなかった。
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