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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


「せんぱーい!!」

市川くんの声が響いた。日比野さんのことだ。私たちもその姿を目で追う。

「カフカ!?戻れ!お前が行ってもどうにも…!」

温かい手に握られたままの私は、走り出した彼についていく。
だがすぐに足を止めた。日比野さんの速度ではなかった。解放戦力1%の動きではなかった。
瓦礫の上を軽やかに跳び越えていく。

日比野さんが高く跳び上がった瞬間、緑の光を発し、その姿は日比野さんのものではなくなった。

「基地中央部に超巨大怪獣反応!フォルティチュード9.8!この反応は……怪獣8号です!!」

日比野さんが怪獣8号…?だって、ずっと一緒に…厳しい訓練も乗り越えて……そうか、だからあの時助けてくれたんだ。

彼はまた私たちを助けようと咆哮を上げて、爆弾へと向かい高く跳び上がっていった。
私たちはただ呆然と、その姿を見届けるしかなかった。

日比野さんはその拳で爆弾を空高く押し上げていった。
限界まで押し上げた日比野さんが力無く地面に落ち、ドンッと衝撃音が鳴る。

「総員!その場に伏せてシールド全開!」

亜白隊長の言葉に私たちはすぐに伏せてシールドを全開にする。
宗四郎さんが私の上に覆い被さるように抱き締めた。

すぐに衝撃は襲ってきて、強すぎる風圧に耐える。宗四郎さんがいなければ吹き飛ばされていたかもしれない。

風圧が収まり顔を上げると、亜白隊長は日比野さんに拳銃を向け拘束する。

「日比野さん…助けてくれたの……初任務の時、相模原で…」

拘束される日比野さんを見て、最悪の結果を想像した。
殺処分後、兵器化…それが頭を過ぎった。

宗四郎さんは何も言わず、ただ強く私を抱き締めた。
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