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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第101章 波乱の食事会〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


「こちらの奥の部屋です。皆様がお待ちかねですよ」

隠に案内され、不死川の屋敷の廊下を進む。心臓の音がいつもより大きく響くのは、無一郎と繋いだ手の温もりのせいか、それとも胸の奥で燻る「あの人」のせいなのか。

先に部屋の襖を開けた無一郎の背中が、一歩足を踏み入れた瞬間にピタリと止まった。

「…?」

不思議に思って彼の肩越しに中を覗き込んだ瞬間、私の息も完全に止まった。

賑やかな声を響かせる甘露寺蜜璃、それを見つめる伊黒小芭内、不機嫌そうに腕を組む主人の不死川実弥―そして、その少し離れた特等席に、静かに座る人がいた。

…義勇、さん…?

来ないはずの、来るわけがないと思っていた、不器用で口下手なあの人。

碧い瞳がまっすぐにこちらを向き、私を捉える。

その瞬間、彼の瞳が微かに揺れ、ゆきを包むいつもと違う「化粧」の気配に、ハッと息を呑んだのが分かった。

「…ゆき」

義勇の小さな声が部屋に溶ける。

その響きだけで、ゆきの胸は張り裂けそうなほどに締め付けられた。

会いたくて、でも会ってはいけない…昨夜忘れようとした人…

「なァ、時透。いつまでそこに突っ立ってやがる」

不死川の硬い声が、静まり返った空気を破る。

すると、無一郎は繋いでいたゆきの手を、さらに強く握りしめた。

無一郎は義勇からゆきを遮るように一歩前に出ると、いつもより少し低い声で言い放った。

「…何でもないよ。行こう、ゆき。僕の隣に座って」

無一郎の横顔は、いつもの少年らしさを失い、ひどく大人びた顔に変わっていた。

ゆきを離したくないという無一郎の必死な焦りが、繋いだ手のひらから痛いほど伝わってきた。

義勇の視線が、二人の繋がれた手に落ちた後、すぐにゆきを見つめた。

何も言わず、ただじっとゆきを見つめる義勇の瞳。

ゆきを求めるような、けれど突き放すような、その矛盾した眼差しに、胸の奥の傷口がじくじくと疼き出す。

お化粧をして、無一郎くんに綺麗だと言ってもらえ、幸せなはずの夜。

けれど私は、無一郎くんの無垢で深い愛に救われながらも、義勇さんの寂しげな視線から、どうしても目を逸らすことができなかった…。

運命の悪戯は、あまりにも残酷に、三人の夜を狂わせ始めていく…。

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