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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第113章 決心〜冨岡義勇【微R】


目を開けた途端、間近にある義勇の顔と頬に触れる温もりに気づき、ゆきは弾かれたように上半身を起こした。

「驚かせてすまない」

そう言いながらも、義勇は恐る恐るゆきの頬へ手の甲を添えてくる。

「ぎ、義勇さん……やめてください!」

ゆきは反射的にその手を振り払った。

払いのけられた手が空中で止まり、義勇の瞳に切ない陰が落ちる。

あの嵐の夜…私が不覚にも媚薬を飲んでしまい、理性を失って義勇さんに抱かれたことが、すべての狂いの始まりだった。

お腹に宿る命が、無一郎くんの子なのか、それともあの過ちの夜の義勇さんの子なのか……答えの出ない苦しみが胸を締め付ける。

昨夜戻ってきた無一郎くんには、言えなかった。

一人で抱え込み、どうすべきか激しく苦悩するゆきを、義勇はすべて察していた。

「…幸さんは?」

「幸は先に帰らせた。お前が眠っていたからな。明日診察してもらえ」

「そうですか…」

ゆきは、決して義勇と目を合わせなかった。

義勇は、真実を言えずに思い悩むゆきの葛藤を痛いほど感じ取っていた。

「ゆき、体調は大丈夫か? どこか痛むところは…」

「…大丈夫です」

そっけない返事しかできないゆきに対し、義勇は静かに息を吐くと、苦しげに言葉を紡いだ。

「あの夜、俺がお前を抱いたことで…時透にも言えず、お前を一人で苦しめている。すまない…。だが、たとえお腹の子が時透の子であろうと、俺の子であろうと、俺はお前とこの命を守る。お前に拒まれようと、それだけは変わらない。」

低く真摯な声が部屋に響く。

「守るってどうやって?私は無一郎くんの婚約者…いずれ鬼との戦いも終われば結婚します。」

「では…俺の子かもしれないその命を時透に、委ねると言うのか?真実を伏せて…」

ゆきは、涙を浮かべる…。

「いえ…だから…結婚となる前に…無一郎くんと…お別れします。」

義勇は、驚きゆきを見据えた。

「別れる?」

「はい…。」

「…どうするつもりだ?」

ゆきが、ゆっくりと義勇と目を合わせていく…ゆっくりと…

「出ていきます。そしてお腹の子と二人で暮らそうと思っています。」


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