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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第112章 言えない〜時透無一郎 冨岡義勇【R強強】


部屋へ戻ると、静かな夜の空気が満ちていた。

二人は火照った体を休めながら、互いに少し距離を置き座った。

無一郎は手拭いを手に取ると、くしゃくしゃと雑に自分の長い髪を拭き始めた。

少し乱暴なその手つきを見かねたゆきは、そっと無一郎の背後に回り込み、その手から手拭いを優しく抜き取る。

「えっ?ゆき…!?自分でするからいいよ」

突然のことに驚き、無一郎が振り向こうとするのをゆきは優しく制した。

「だめ。ちゃんと乾かさないと冷えちゃうでしょ?私が拭いてあげる」

手拭越しに頭部を柔らかく包み込み、丁寧に水気を吸い取っていく。

指先が頭皮に触れ、髪を優しく撫で上げる感触があまりにも心地よく、無一郎は抵抗するのをやめてそっと目を閉じた。

先ほどまでの激しい情事が嘘のように、穏やかな愛おしさが胸を満たしていく。

「…あっちではね、毎日のように鬼を斬っていたんだ。最近は少し数が減って様子を見ている段階なんだけど…」

無一郎はゆきの温もりに身を委ねながら、静かな声で言葉を続ける。

遠く離れた場所での孤独や、すれ違う日々に募らせていた不安。

そのすべてを吐き出すように深く息を吐いた。

「こうして君が髪に触れていてくれるだけで、溜まっていた疲れなんて全部どこかへ飛んでいっちゃうよ…」

そう言って無一郎は後ろへ倒れ込むように、ゆきの膝の上に頭を乗せた。

仰向けになった瞳が、ゆきの顔をまっすぐに見つめ返す。

その表情には先ほどのような熱っぽい感情はなく、甘えるような柔らかさが戻っていた。

「さっきは本当にごめんね。君を傷つけたいわけじゃないんだ。ただ、会えない分君を感じたくて…」

ゆきの手を取って自分の頬へ寄せ、愛おしそうに擦り寄せる無一郎。

ゆきは、無一郎の額に落ちた濡れ髪をそっと払った。

「あんなに、激しいのは嫌だけど…だけど…」

ゆきが、頬を桜色に染めて上から無一郎を見つめる。

「だけど…何…?」

無一郎が、澄んだ甘えたような目でゆきをじっと見つめる。

「もう少し、優しくしてくれるなら…さっきの続きをしてもいいよ…。」

「いいの?」

「うん」

「わかった。優しくする。激しくしない…」

無一郎は、ゆきを抱き上げた。



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