第27章 邂逅
「炭治郎にも…、錆兎の事を話したんだ。」
『え、炭治郎くんに…?』
「あぁ…。稽古に参加して欲しいと
この数日間ずっと付き纏ってきたからな…。
その時炭治郎に言われたんだ…、
"錆兎から託された思いを繋いでいかないのか?"と。
昔、錆兎から似た様な事を言われた事を思い出して、喝を入れられた気分になった。」
『そうだったんですね…。』
やっぱり炭治郎くんは
誰かの苦しみを理解し、寄り添ってあげることができる優しい子だ…。
冨岡さんがこんな風に吹っ切れた様子なのは、炭治郎くんのおかげだったんだね。
『炭治郎くんはすごいなぁ…。
冨岡さんに稽古のやる気を出させるなんて…』
「…。錆兎のことを話そうと思ったのは…
のお陰だ。」
『へっ…?』
そんな事を言われるとは思わなくて
驚きのあまり、走っていた足を止めて立ち止まると、冨岡さんも同じ様に止まって、私を見つめて来た。
「例え炭治郎や他の者に軽蔑されても
俺にはがいてくれる…、
そう思ったら、過去の事を話すのは怖くなかった。」
『そ、そんな…、私なんか…』
「それ程俺にとっては
お前の存在が大きいということだ。
がいなければ
俺は今も過去に囚われて、孤立する事を選んでいたと思う。」
そんなことないよ…。
例え私がいなくても
冨岡さんは優しい心を持ってるから
きっとみんなに思われてて、
辛い時は手を差し出す人がいてくれるはず…。
鬼殺隊の隊士の人達の中には
柱としての冨岡さんの強くて頼もしい背中を見て育ってきた人もいて、炭治郎くんだってその1人だと私は思う。
でも、冨岡さんの中で
私の存在が大きいと言われたのは嬉しくて…
この人の事が心の底から愛おしくて
私は自分からギュッと冨岡さんの体に抱き付いた。