第27章 邂逅
しばらくの間
会話をする事なく走り続けていた私は
隣で颯爽と走っている冨岡さんに声をかけた。
『あの…、冨岡さん。』
「どうした?疲れたか?」
『いえ、大丈夫です!
ただ…、私の都合で刀鍛冶の里についてきてもらう事になっちゃったので…、面倒をかけてしまったのが申し訳なくて…。』
「気に病む必要はない。
今回の任務は…、御館様が俺達を気にかけて
指令を与えて下さったんだ。」
『え…?』
走りながら冨岡さんの話を聞くと、
私達の関係が拗れない様に
2人でちゃんと話せる機会を作ってくれたとのことだった。
冨岡さんは
鴉の寛三郎さんからそう伝えられ、
柱稽古に参加することも考え直したから
互いに稽古で顔を合わせる時間が減る前に
たとえ仕事でも、私と2人で会う時間を作りたかったと話してくれた。
「お前も聞いていると思うが
鬼殺隊内に警戒態勢の号令がかかったのは…
大規模な戦闘が起こるかもしれないと予測されているからだ。」
『はい…。そうですね…。』
「だから今は出来るだけ…、
と共にいたいと思った。
今回は御館様のご厚意に甘えようと決めた。」
御館様…
ご自分も病気で相当辛い思いをしてるはずなのに…
そんな状況でも
私と冨岡さんのことや、鬼殺隊のみんなのことを気遣ってくれるなんて…
…あの人の優しさには感謝してもしきれない。
『冨岡さん…、絶対に鬼舞辻無惨を…
みんなで倒しましょうね?』
「無論だ。必ず討ち取る。」
ハッキリと断言した冨岡さんの顔付きは
いつもと変わらない様に見えるけど
少しだけ雰囲気がこの前会った時と違っている様に見えた。
なんだか…憑き物が落ちた様な、一皮剥けた様な感じで…
『冨岡さん…、この数日間で何かありました?』
「…?」
『私の気のせいかもしれないんですけど
冨岡さんが以前会った時より
スッキリしたように見えたので…』
「…。
お前は俺の事をよく見てくれているんだな…」
…そりゃあ勿論。大好きな人ですからね。