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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第26章 痕跡 ✴︎




淡々と話す冨岡さんだけど
声がいつもより沈んでいるように聞こえて
そんな冨岡さんを見るのは初めてで、胸がズキっと痛んだ。





「…だが、お前が鱗滝さんに話した事と
胡蝶からの話を聞いたら…
と離れたくないと思った。」


『え…?しのぶちゃんからも、ですか…?』


「あぁ。俺が別れを告げた日から
お前が自室で毎日泣いている事…、あいつは気付いていたようだったぞ。」


『!?!?あー…、もう…っ、
しのぶちゃんには敵わないなぁ…』





あんまり顔を合わせないようにしてたから
絶対バレてないと思ったのに…。


別れた事も気持ちが落ち着くまでは
黙っていようって決めたのに
それも全く無意味だったみたい…。





「俺は…、と離れれば
錆兎を失った時と同じ悲しみを感じずに済むと思い、別れを告げた。」


『はい…。』


「だがそれは
お前の気持ちを考えず、ただ己が傷付くのを恐れ
己の弱さと向き合わなかった…、
要は逃げたんだ…。」





…確かに冨岡さんのした事は逃げになるのかもしれないけど、錆兎さんの事があったから
そんな考えになってしまってもおかしくない。



もし、大切に思っていた人が急にいなくなったら
悲しくて寂しくて…、辛過ぎて心が壊れちゃうかもしれない。



…冨岡さんが私に別れを告げた時
すっごく悲しそうな顔をしてた理由が漸く分かった。




『ごめんなさい…。
私が鬼に負けたせいで、
錆兎さんのことを思い出させちゃって…』


「お前は何も悪くない。
全ては俺の弱さが招いた事だ…。」


『でも…、
思い出すキッカケを作ったのは私ですから…』


「…フッ、は本当に優しいな。」


『っ…』




…困ったように笑みを溢した冨岡さんにドキッとしていると、私の手の上に冨岡さんの手が置かれていた。





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