第25章 意識
【前略
冨岡 義勇殿
お前の恋人だった が
先程、儂の元を訪ねて来た。
は御館様から手紙を貰い、
義勇との間に何か起きた際は、儂の元を訪ねるよう書かれていたそうだ。
御館様は、お前が苦しんでいることをご存知で
ならそんなお前を支えてやることが出来ると…、そう御考えであると儂は捉えた。
だからには
お前が儂の元で修行していた頃の話をした。
勿論、錆兎のこともだ。
お前の了承を得ずに話した事は詫びる…、
だが義勇…、いつまでも過去に囚われる必要はない。
お前との噂は儂の耳にも入っており
お前達の関係を聞いた時は、本当に嬉しく思った。
お前が守りたいと思える女に出会い
幸せな時を過ごす事が出来るようになったのだと、儂は心から安心したんだ。
だが、義勇から別れを告げたとから聞いた時、お前はまた1人で苦しみを背負っているのだと悟った。
も儂の話を聞いて
お前の苦しみを理解し、しかと受け止めている様子だったが…、
あの子は錆兎の話を聞いた後
涙を流しながら、儂にこう言ったんだ…
『私…、自分が情けないです…。
冨岡さんが苦しんでいた事に気付けなくて…っ、
大事な友達が殺されたのに、悲しみを押し殺して
柱になるほど1人で頑張ってきたんですよね…?
やっぱり…、冨岡さんはかっこいいですっ…、
私の憧れです…!!!
できることなら、錆兎さんに御礼を伝えたい…、
冨岡さんを助けてくれて…、ありがとうって言いたいです…っ』
義勇…、何も恐れることは無い。
は優しい心の持ち主で強い子だ。
直接話をしたことで、儂にはそれがよく分かった。
あの子はお前自身をちゃんと見ている、
人間の命を尊く思っている…、
そういう人間は簡単には死なず、生き延びる。
のことを…、信じてみてはどうだろうか。
弟子の恋愛事情に口出しをするつもりはなかったが、が言っていた言葉をどうしてもお前に伝えたかった…、
気を悪くさせてしまったら、後日改めて詫びる。
草々
鱗滝 左近次】