第22章 恐怖
し「さんはきっと…
ご自分で傷を負ったのだと思います。」
「なっ…」
不「はァ!?どういう意味…ッ、
まさかコイツ…!」
…不死川の表情を見た俺も同様
胡蝶の言いたいことを汲み取った。
し「そう…、お二人が察した通りです…。
さんは…
自分の体に痛みを伴わせることで
発情の効果を弱めようとしたのでしょう…。
さんが持っている皮膚を切る為の医療道具を使ったのが、傷口から見て分かりましたから。」
「っ…」
…
お前はそこまで自分を犠牲にして
鬼と戦ってくれたのか…。
お前は……、人を助ける為に自分を傷つけてまで…。
「……、」
ここまで体を張り、命懸けで鬼と戦う彼女を俺は…
この先本当に…、守ってやれるのだろうか…。
実際、不死川が加勢に行かなければ
は間違いなく犯された後殺されていただろう。
鬼殺隊である俺達は、いつ命を落とすのか分からない…
そんな事は分かっていたはずだが
目の前で傷を負ったを見ていると
俺にはまだ覚悟が足りていないように思えた。
を妻に娶る、一生守ると豪語していたにも関わらず、今回のように
彼女を助けたのは俺ではなく不死川だった…。
そもそも俺は、柱には相応しくない人間だ…
大切な人を失ってから、己を鍛え上げて柱になったが、ずっと側にいて欲しいと望んだ、心から愛しいと思った恋人さえ……、俺には守る事など出来ないのではないのか…?
し「冨岡さん…?
そんなに険しい顔をして、どうかしたんですか?」
「…。胡蝶、のことを頼む…。」
し「え…?どちらへ?」
「…今日の夜も任務の為、屋敷に戻る。」
不「あ゛…?」
眠っているを見つめていた俺は
彼女を失った時の想像をしただけで恐怖を感じ
とても耐え切れず、病室の扉に向かって歩き出したところ、不死川の不機嫌そうな声が耳に入った。