第33章 待ちに待った初戦
一周目のアタックを終えた時点で加賀のタイムを超えられなかったロベルトのタイムを見てグレイたち三人は声をそろえた。
「…勝ったな」
「ま、加賀だし」
「超えれるワケねぇって、うちを」
自身にも満ちた様子だったものの、雅はじっと最後までモニターを見ていた。
「…雅?そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「ん、」
小さく返事をする雅だったが最後の最後まで見入っていた。
『これで全部タイムが出そろいました!!まさかの展開!今季初参戦のシャトウムーア加賀!ポールポジションを獲得した!!』
アナウンサーの声を聞いてふぅっとため息を吐いたのは加賀だった。
「…明後日、本戦だね」
「あぁ。でも悪いけど負ける気しねぇよ」
「いうと思った。」
そうして全台のアタックを見てリックは父親に連絡をしていた。他の四人はとりあえずお疲れ様…っとねぎらい合う。
「…明後日か」
「ローリングスタートだから加速が重要になるな」
「ローリング…スタート…って、確かオープニングラップ後そのまま止まらずにってやつだよね」
「そう。」
「どこで加速するか、それがキーだな」
「でもまぁ、先頭取れたってのはいい条件だ。」
「それにメカニックが腕良いからよ。」
「おだてても何にも出ねぇぞ?」
そう話していた。電話も終わったリックを交えて夕飯は一緒に食事をしようかと話も弾み、どうするか…と決めている五人。
「・・じゃぁ、とりあえず」
そう切り出し、店を指定すればOKとの返事。約束の時間までどこかで…と声をかけようとした加賀だったものの、雅はそれどころじゃなかった。