第9章 敵陣
翌朝、謙信様の馬に乗せてもらい、戦場へ向かう。
「(みんなの元へ帰れる。心配かけちゃったな、謝らないと)」
それにしても視線がたくさん集まってる気がする‥
「ねえ、幸村。なんだか視線が多い気がするんだけど気のせい、?」
隣で馬に乗っている幸村に聞く。
「気のせいじゃねーよ。謙信様は大の女嫌いで有名なんだ。その謙信様が同じ馬に女を乗せてるってなると、そりゃみんな見るわ」
「(謙信様って女嫌いだったんだ!そんな感じ全くしなかったけど‥)」
「な、なるほど〜?」
暫く行軍して戦地の真ん中で止まる。今回、私を織田軍へ届けた後、謙信様の合図で作戦が実行されると佐助くんから今朝聞いた。
「(なんだかこちらの人達にも申し訳ないな。戦の開始まで私に合わせる感じにするなんて‥)」
そうこうしていると正面から織田軍がやってきた。信長様を先頭に、光秀さん、政宗、家康、美桜、そして兵達がいる。対して上杉・武田軍は謙信様、信玄様を先頭とし、幸村、佐助くんがその直ぐ後ろに、兵達も控えている
「(みんな、怪我してなさそうで良かった‥美桜、もう1人で乗馬できるんだ。流石だなあ)」
「その女が世話になったな、謙信」
「ふっ、女1人守れないようでは容易に返せんな」
「抜かせ、琴葉を返してもらうぞ」
ピリピリとした空気の中2人の会話が戦場に響く。
謙信様に行けと言われ、馬を降りようとした。
ー刹那、どこからか、無数の矢が飛んできた。
「(な、何が起こったの、?)」
私は謙信様に抱き締められるような体勢で守ってもらっていた。
織田軍の方を見ると、何事かと騒がしくなっている。さっきの矢で怪我をした人も両軍から出ている。
「(一体、何が‥?)」