第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
でも、爆豪はそれを別の意味で受け取った。
爆「……いい」
少し間を置いて、
爆「……よかねぇけど。今は、いい。頼ってくれるだけで、十分だ」
の喉が詰まる。
「……ありがとう……」
その一言で、涙が溢れた。
爆豪は舌打ちして、でも乱暴にはしなかった。
爆「俺ァ、何回だって言う」
の顔を、まっすぐ見つめて。
爆「が好きだ。……いや、好きとかじゃねぇ」
拳を握りしめる。
爆「でもこれは、が俺のことを“ちゃんと好き”になったら言う」
「……うん……」
涙が、ぽろりと落ちる。
爆「泣くなや……」
爆豪は器用に、その涙を拭った。
そして、そっと優しいキスが、額から、頬へと落ちてくる。
何度も、何度も。
確かめるみたいに。
爆「……今日は、ダメじゃねぇンか」
「……うん……」
爆「……そーかよ……」
最後に、想いを全部込めたみたいな、深いキス。
別れ際は、静かだった。
「また、ね」
爆「あぁ。無理すんなよ。またいつでも来い」
扉が閉まったあと、は廊下で立ち尽くす。
(……ごめんね、勝己)
声に出せないまま、胸の奥で何度も繰り返す。
部屋の中。
爆豪は一人、拳を握りしめた。
抱きしめることしかできない自分に腹が立つ。
支える。
何があっても、これからもずっと。
が去った扉を、長いこと見つめ続けていた。