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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第44章 生まれた日、届いた言葉


ふわり、と身体が重なる。

優しい抱擁。

力強く抱き締めるわけじゃない。
逃がさないようにするわけでもない。

ただ、ありがとうを伝えるみたいに。
大切だと伝えるみたいに。

静かに抱き締める。

も何も言わず、安心したように相澤の胸へ頬を寄せた。

相澤は困ったように息を吐いた。

腕の中の温もりが、あまりにも心地良かった。

しばらくそのまま静かな時間が流れる。

やがて、が小さく笑った。

「今日は誕生日だったのに……」

相「……?」

「結局、いつも通り残業してましたね」

少しだけ頬を膨らませる。

「“早く帰ってゆっくりしてください”ってプレゼントだったのに…」

相澤は思わず笑ってしまう。

相「教師はそうもいかねぇ」

「だめです」

珍しくきっぱりと言い切る。

「来年はちゃんと早く帰ってください」

その言葉に、相澤は少しだけ目を細めた。

相「……善処する」

「善処じゃなくて約束です」

相澤は小さく息を吐く。

まったく敵わない。

そう思いながら、もう一度だけそっとの頭を撫でた。

相「……努力する」

は嬉しそうに笑う。

「ふふ、はい!」

その笑顔があまりにも優しくて。
相澤は思わず腕に少しだけ力を込める。

ほんの数秒。
それだけで満たされてしまう自分がいた。

2人は並んで夜の校舎を歩き出す。
静かな廊下に、足音が重なる。

今年の誕生日も終わる。

けれど相澤にとってその日はきっと、今までで一番心が温かくなった誕生日だった。
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