第44章 生まれた日、届いた言葉
だいぶ寒さが増してきたある日のこと。
まだまだ文化祭の準備が続いているいつも通りの放課後。
職員室には、パソコンのキーボードを叩く音だけが静かに響いていた。
相澤は眠そうな目を擦りながら、いつも通り仕事を片付けている。
その少し離れた席では、がちらちらと相澤の様子を窺っていた。
(……いつ渡そう)
足元には、小さな紙袋。
タイミングを見計らっていた、その時だった。
マ「もう11月かぁ、早ぇなァ〜……って、今日11月8日!?やべぇ!!」
突然大きな声を上げたマイクに、職員室の空気が少しだけざわつく。
ミ「何?今日がなんかあるの?」
マ「今日……相澤の誕生日じゃねぇか!!気付くの遅くなってゴメン!!」
相「………」
相澤は少しだけ瞬きをした。
そういえば、今日だったか。
自分の誕生日など、すっかり忘れていた。
別にいつもの日常と変わらない。
いつも通り起きて。
いつも通り仕事をして。
いつも通り残業をして。
いつも通り、の近くで過ごす。
もう誕生日を特別だと思う歳でもない。
相「あぁ……そういやそうか」
マ「忘れてたのかよ!?」
相「別にいつもと変わらん」
マ「しびぃ〜ぜ相澤!年イチのイベントよ!?」
そう言われても、やはり実感は湧かなかった。
すると。
「あの……消太さん」
遠慮がちに名前を呼ばれ、相澤は顔を上げる。
相「ん、なんだ」
仕事の相談かと思って体を向ける。
その視線の先には、小さな紙袋を抱えたが立っていた。