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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第42章 戻らない未来、守りたい命


リ「重傷者多数!救急車をありったけ呼んで!急いで!!」

大穴が空いた地上、砂埃、そして人々の呻き声。

は息こそあれど、意識は深い底に沈んでいる。
治崎が塞いだ傷口は確かに閉じていたが、流れ出た血は戻らず、体温もまだ戻らない。

救急隊員が次々に担架を運び込む。

「この方も重篤です!」「こちら、意識なし!」

、ナイトアイ、そして多くの重傷者が、次々と救急車へと運び込まれていく。

サイレンの赤い光が揺れながら、街を切り裂くように遠ざかる。

たった “1時間にも満たない” 戦い。
短い時間だったが、あまりにも濃く、痛ましく、誰もが大切なものを失いかけた。

それでも、確かにひとつの命が救われた。
そして、ひとつの未来が変わった。

1人の少女を救うための戦いは、静かに幕を閉じた。

____________

救急車のサイレンが遠ざかっていく音だけが、ぼんやりと世界に響いていた。
の意識は深い水の底に沈んでいくように重く、現実の痛みも、寒さも、もうほとんど感じなかった。

そのはずなのに。

どこかで、誰かの声がする。

……お願いだ、…………死なないでくれ……。
…………好きだ。どうしようもないくらい……。

(……だれ……?)

声は涙に濡れたように滲んでいて、でも確かに心の奥へ届いてくる。

聞いたことがある。
優しくて、まっすぐで、痛いほど必死な声。

(未来……さん……?)

答えようと唇を動かすが、体はまったく反応しない。

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