第42章 戻らない未来、守りたい命
リ「重傷者多数!救急車をありったけ呼んで!急いで!!」
大穴が空いた地上、砂埃、そして人々の呻き声。
は息こそあれど、意識は深い底に沈んでいる。
治崎が塞いだ傷口は確かに閉じていたが、流れ出た血は戻らず、体温もまだ戻らない。
救急隊員が次々に担架を運び込む。
「この方も重篤です!」「こちら、意識なし!」
、ナイトアイ、そして多くの重傷者が、次々と救急車へと運び込まれていく。
サイレンの赤い光が揺れながら、街を切り裂くように遠ざかる。
たった “1時間にも満たない” 戦い。
短い時間だったが、あまりにも濃く、痛ましく、誰もが大切なものを失いかけた。
それでも、確かにひとつの命が救われた。
そして、ひとつの未来が変わった。
1人の少女を救うための戦いは、静かに幕を閉じた。
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救急車のサイレンが遠ざかっていく音だけが、ぼんやりと世界に響いていた。
の意識は深い水の底に沈んでいくように重く、現実の痛みも、寒さも、もうほとんど感じなかった。
そのはずなのに。
どこかで、誰かの声がする。
……お願いだ、…………死なないでくれ……。
…………好きだ。どうしようもないくらい……。
(……だれ……?)
声は涙に濡れたように滲んでいて、でも確かに心の奥へ届いてくる。
聞いたことがある。
優しくて、まっすぐで、痛いほど必死な声。
(未来……さん……?)
答えようと唇を動かすが、体はまったく反応しない。